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『スタジオ える あっと ブログ』 略して 『鼻眼鏡』!(ええええ?)
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第二〇話 『元』
 何を話しこんでいるのか気になるデローリスは、仕事中に2人を覗き見ると何やら真剣に話しこんでいた。さすがに2人の話を盗み聞く事は躊躇したが、近くを通った時に聞き耳を立ててみたが結局何を言っているのかが分からなかった。方言なのかしら、とデローリスは首をひねった。
 しかし、ここまで真剣なラモンも初めて見たかもしれない。普段はどんな時でも人を食ったような笑みを顔に張り付け、口からは悪趣味な冗談しか出ない人なのだ。もちろん、デローリスは彼が仲間思いの良い奴だと分かっている。それでも、レオナと話している時の彼の表情は見た事が無かった。
 真剣に、そして神妙に彼はレオナの話を聞いていた。長い間会っていなかったというが、様子を見る限り2人はとても仲が良かったのだろう。
 なんだか、2人の間には誰も立ち入る事が出来ない長い年月を見せつけられているような気がして、デローリスはなんだかモヤモヤとした気持ちが出来てくるのだったが、必死に無視した。


「おまたせ」
 声をかけるとラモントレオナの2人は一斉にデローレスの方を振り返った。そして心なしか、ラモンは戸惑っているように見えた。
 おや、とでローレルは思った、これもラモンらしくない。
 すると、彼はレオナに何か一言断りを入れてから、少し話しておきたい事があるとデローリスを連れてちょっと離れた。
「どうしたの?」
 様子がおかしいラモンが心配になったデローリスが聞くと、彼は実は、と切りだした。
「アイツの元彼、実はヤバい奴みたいなんだ」
 思わず声をあげそうになるのをデローリスはなんとか抑えた。ラモンが『ヤバい』と称する人は一種類しかいないのだ。
「あの子、ギャングと付き合ってたの?…まさか、ラモンを―!」
「そうじゃない」ピシャリと言い放つラモン。
「元彼がどうも金銭面で大きな貸しを作ったそうだったが、レオナには黙っていたんだ。それに気付いたレオナが元彼を問いただしたら逆にキレられて、彼女を殴った挙句に他言したらただじゃ済まさないからな、と脅されたそうだ」
「ひどい…」
「だからアイツは逃げるようにその場から離れたんだが、とにかく恐怖でパニックになっていたので何も持たずに出てきちゃったみたいなんだよな」
 ふとレオナの方を一瞥するデローリス。
 顔の傷も痛々しいが、他の所を見れば彼女が必死に逃げてきたのだろうと分かる。

 服はよれよれで汚れも酷く、何日も洗濯していないのだろうし、赤褐色の髪の毛は少しテカっていた。とにかく遠く、もっと遠くに逃げたかった一心で必要なものを持たないで飛び出して来たのだろうか。
 何とも、不憫だ。

「そのギャング、どれ位ヤバいの?」
 聞くデローリスにラモンは肩をすくめるだけだった。
「ここら辺には関わりが無いから何とも言えないな……それに、奴等はレオナに何の恨みもないから心配しなくてもいいと思うぜ?」
 あれ?とデローリスは疑問を感じた。
「でも、ラモンは『元彼はヤバい奴』と言ってなかった?ギャングに貸しがあるのは確かにヤバいけど、元彼自身は一般人だし…」
 いやいやいや、とラモンは手を顔の前で振った。
「『元』彼は『元』ギャングなんだ、しかも俺が『元』敵対していたところの」
 え、と目を見開くデローリス。
「元彼がレオナに惚れこんだんだが、彼女は一般人だしギャングとつき合わせるわけにはいかないと足を洗ったのはいいが、完璧には断ち切れなかったらしいな。貸しの件もそういう事があって出来た事なんだが、今でも顔がきくから、あちこちでいろんな奴等にアイツの居場所を探させていてもおかしくないんだ。
 だからよ、35歳前後の長身で筋肉質、黒髪で一目で分かる強面のハンサムを見かけたら目を合わせずその場から逃げろ」

 35歳前後
 長身
 筋肉質
 黒髪
 一目で分かる強面のハンサム

 デローリスは頭の中で元彼の特徴を繰り返し暗唱した。こういう風にラモンが彼女に『ヤバい奴』の特徴を教える事は初めてではないし、その情報のおかげでトラブルに巻き込まれなくなっているので助かっているのだから、手慣れたものだ。
 あ、とデローリスは思い出した。
「ラモン…昼間にここに来るのは珍しいね……何かあったの?」
 言いたくない事なんだろう、ラモンはしばらく口を濁らせていたが、やがてポツリと言った。
「……また、1人死んだ」
 きゅぅっと胸が締め付けられるデローリス。そう…と相槌しか出来ないのがもどかしかったが、彼女には他に言える事が無いのだ。
 そうしてしばらく黙っていたが、デローリスは気を引き締めラモンに、任せて、と宣言した。
「レオナの事、ちゃんと面倒みるから……
 今となってはラモンの数少ない『家族』だもんね?」
 その言葉を懐かしむように、ラモンは、そうだな、と頷いた。











 シェルターに帰ったデローリスはまず、レオナにシャワーを浴びさせた。何日間体を洗わなかったかは知らないが、出てきた時彼女は見違えっていた。そしてここで初めて、レオナは魅力的なんだと気付くデローリス。
 魅力的と言っても、美人とかではない。鼻が高すぎるし胸も小さい。でも、人を惹きつける何かを彼女から感じられた。それはどうしてなんだろうと髪の毛を乾かすレオナをしばらく観察しただけで理由が分かった。それは、彼女の目だ。
 22歳とデローリスよりも若い筈なのに、目はそれ以上…もしかしたら倍は年をとっていた。長い年月、世間の荒波にもまれ、乗り越え、そして見据えてきたような目だ。レオナのような女性が持つはずのない目だ。

 ……そういえば、ラモンも時々似たような目をしている…

「ねぇ?」
 突然話しかけられ、思考を中断するデローリス。
「ラモンとは、どうやって知りあったの?」
 借りた寝巻に身を包んだレオナが首をかしげて聞いた。不思議な事に、先程までデローリスが感じていた引きつけ感は消え、年相応の目をしている。
 デローリスは首を振った。私も疲れているのよ、と自分に言い聞かせる。その行動に吃驚しているレオナに、デローリスははにかみながら話した。
「3ヶ月くらい前なんだけど、レストランで絡まれていた時にラモンが助けてくれたのよ。
 『男が何で腕っ節が強いのか教えてあげようか?』と相手の腕をねじあげながら言うのよ。『それはなぁ、女を守るためだ。だがな、勘違いするなよ?女はな男の心を守ってくれてるんだ。守り守られる女を傷つけるとぁ、お前は本当に外道なんだな?』ってね。
 もう、すごくかっこよかったの」
 話しを聞いたレオナは、なぜか物凄く驚いていた。きっと、昔のラモンからは想像できないのだろうと、デローリスは勝手に解釈した。
「後から聞いたんだけど」と彼女は続ける「それは自分が尊敬している人からの受け売りなんだって、照れくさそうに言ってたんだけどね」







「……『男は女の身を守り、女は男の心を守る。どっちの方が偉いのではなく、どっちもお互いを支えあうのに大切なんだ』……
 まさか…あの事を覚えているなんて思わなかったな」
 天井を見上げながら彼女は言った。
 サンディを見下していたジェネにリアンダーが言った言葉だ。まさか彼がラモンになった今でも覚えているとは驚いたし、しかもリアンダーを『尊敬している人』と言ったのが驚きだが、嬉しくもあった。彼に何かを残してあげられたんだと分かったから…

「でも…リアンダーのその考えは、彼の母から受け継いだものなんだけどね」


 くすっと笑う『レオナ』ことエイレは、そう言ってから目を閉じた。




↓あとがき




なんだかんだで第20話だ!

いやぁ~来ちゃったよ~…
原稿用紙で加算したら100枚になっちゃったよ!でも、話はまだまだ続くんだよ!!


有り得ねぇっスね!(笑)


まぁ、それはともかく、とりあえず一息つけるエイレ、あ、いやこの場合レオナですね!
ちょっと困惑してしまうかもしれませんが『レオナ=エイレ』を頭の中に入れてくれれば幸いです。これからもラモンやデローリスが出ている時はレオナで統一するので。
(ちなみに、レオナは『獅子(ライオン)』という意味があります。これはリアンダーの『獅子(ライオン)の男』からあやかっているのです)


今回、ちょっと楽しかったのはデローリスがレオナ(エイレ)にプチ嫉妬しているところ(笑)
まぁ、彼氏が他の女(例え、はとこや、またいとこだとしても)と親密になるのは嫌ですもんね!



これでアレックスが第六感を働かせて、何事もなくエイレを見つける事が出来ればいいのですが、ストーリー的にそれは面白くないので(←言い切った!)これからまたいろいろと波乱が待ち構えていますでしょう(邪笑)


ではでは、また来週もお会いしましょう!!

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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

コメント
この記事へのコメント
ほっと一息
エイレ=レオナが一息つけて、こちらもちょっとほっとした一幕でしたね♪
でも、嵐の前の静けさって感じが、次の波乱を予感させますね。
 
えっと、それで、デローリスの名前が、2カ所、崩れてます…。
2008/07/01(火) 15:33:41 | URL | うだジロー #-[ 編集]
えへへです、うだジローさん
『嵐の前の静けさ』、言い得て妙ですね!これから何が起こるのか!
それは神のみぞ知る事!!
(↑作者は知らないのかよ?!)

あああああ、やっぱり間違ってたか!!
もう、誰だよデローリスって名前つけたの!(お前だ)デローリスよりもドローリスの方が主流じゃん!(だからお前が名付けたんだろ)ほんと、ダメだな!!(だから、おま(以下略))


↑ELがちょっとこわれてます、気にしないでください(笑)


ご指摘ありがとうございます!
間違いなど作りたくないのですが、考えを出来るだけ早く書き出したいので、こういうミスを見過ごしちゃいます(汗)
2008/07/03(木) 01:01:47 | URL | EL #-[ 編集]
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