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『スタジオ える あっと ブログ』 略して 『鼻眼鏡』!(ええええ?)
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第二話 『2度目の“はじめまして”』
「隊長!」
 呼ばれて『赤獅子』は振り返った。呼んだのは鮮やかな緑色の瞳をもった青年で、駆け足で近づいてきた。
「どうした」
「姫様を、避難させたほうが良いと思います」
 何故とは聞き返さない『赤獅子』。もともと青年を軍から引き抜いて、姫の親衛隊に勧誘したのは彼である。青年の勘の良さ、いや第六感の鋭さは正確無比で、『赤獅子』よりも一回り幼いのに隊にいなくてはならない存在にまでなったのだ。
 そして、その彼が姫を避難させた方が良いと言うなら、『赤獅子』は疑わずにそうするまで。

 早足で廊下を2人で渡っていると、不安が色濃く出ている声で青年は自身の恐怖を表した。
「今日が…最後になるんでしょうか?」
「……最後って?」
「今日を持って、貴方の隣には立てなくなるって事です」
 『赤獅子』は思わず立ち止まり、青年の拳が震えている事に気がついた。まさかとは思ったが、青年が言うと本当にそうなるのだろう。つまり、どちらか(もしかしたら両方)が亡くなるという事なのだろうか?
「お前は、そう感じるのか?」
 一応聞いてみるが、驚いた事に青年は“分からない”と答えを濁らした。
「どう表現すれば良いか分からないけど…今日で最後だが、ここじゃない遠くの場所で、オレじゃないオレが貴方じゃない貴方の隣に立っている様な気がするんです」
 目を見開いてから『赤獅子』は笑ってしまった。
「俺じゃない俺と、お前じゃないお前……それって他人って言うものだぞ?」
「違います!」と青年は頬を膨らませた。
 『赤獅子』はまた歩みを始め、一歩遅れて青年もついて来た。
「まぁ、お前がそう言うなら本当だろうな。
 俺じゃない俺とお前じゃないお前か……なんだ、もしかしたら俺たちは生まれ変わるのかもな?」
 ニカッと笑みを見せると青年は少し複雑そうな表情を見せた。生まれ変わりなんてあって欲しいと思うけど、本当にあるのか信用できない。青年の心の葛藤を察し、『赤獅子』は彼の肩を2度叩いてそのまま押し黙った。


 最後と思っていたのに、実は始まりだと知るのは、もうちょっとしてからである。











2度目の“はじめまして”

「隊長」

 長身の男はもう一度呼びかけた。
 はっとして映礼は立ち上がり、彼の鮮やかな瞳を見つめた。
「…瞳の色だけは変わらなかったね?」
 微笑みながらそう言うと、男もつられて笑った。
「不思議な感じ…だな。俺が隊長よりも年上になってしまったし」
「それよりワタシが“女”になった事に驚くべきじゃない?」
 指摘すると男は苦笑した。



 オレじゃないオレと貴方じゃない貴方

 確かに今の2人は昔と違う。けど、同時に同じ人でもある。



「これ、一応『始めての出会い』なんだよな?」
 男の言葉に映礼は頷く。
「確かにね。じゃ、自己紹介しようか」

 映礼は右手を差し出した。

「“始めまして”ワタシの名前は御前映礼。アナタは?」

 男も右手を差し出し、彼女の手を握った。

「“始めまして”俺はアレクサンダー・フォン・ハーツバーグ、アレックスと呼んでくれ。これからよろしく、エイレ」

「アナタもね、アレックス」



 これが最初の、2度目の“始めまして”。



↓あとがき
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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